カゴメ野菜生活ファーム富士見、環境省の自然共生サイトに認定!
長野県富士見町に位置する「カゴメ野菜生活ファーム富士見」が、2025年9月16日、環境省から「自然共生サイト」として認定されました。認定式は9月30日に実施され、環境省の代表者やカゴメの経営陣が出席しました。
自然共生サイトとは、環境省が認定する、民間の取り組みによって生物多様性の保全が進められている区域を指します。これは、国際目標「30by30」に基づいて設けられたもので、2030年までに陸と海の30%以上の健全な生態系を保全することを目指しています。また、2025年4月には「地域生物多様性増進法」によって、この制度は法律としても認められました。今回のカゴメ野菜生活ファーム富士見の認定は、この新法の下での初の試みです。
カゴメの取り組み
カゴメは創業以来、農業を通じて自然の恵みを最大限に生かす事業を展開しています。しかし、人間活動の影響で世界中の生物多様性は危機に瀕している現状もあり、カゴメは「カゴメグループ生物多様性方針」を制定し、生物多様性の保全と回復に向けた取り組みを積極的に進めてきました。
具体的には、2030年までに生物多様性を回復させ、2050年までには自然と共生する社会を実現することを目指しています。これらの取り組みは、2023年に採択された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の中で表明された内容でもあります。
自然共生サイトにおける具体的な取り組み
「カゴメ野菜生活ファーム富士見」で進行中の生物多様性保全活動について、以下のような取り組みがあります。
1. 農地生態系の保全・復元活動
この活動では、地域の在来植物を守ることが目的です。特に、日本の農地では圃場整備によって在来植物が減少し、外来種が増加する問題が顕在化しています。このため、カゴメ野菜生活ファームでは、富士見町内で在来植物の種子を採取し、2021年と2022年に約1万本を植栽しました。現在も定着状況をモニタリングし、在来植物の再生を推進しています。
2. 環境教育の機会提供
生物多様性の重要性を伝えるため、様々な環境教育プログラムを実施しています。例えば、\"畑の生きものクイズラリー\"や、収穫体験を通じて、来訪者が生物多様性に親しむ機会を提供しています。
- - 収穫体験では、八ヶ岳の冷涼な気候で育った季節の野菜を収穫し、自宅でも味わえます。
- - トマトの遺伝的多様性を展示する温室「TOMATO MUSEUM」では、珍しいトマトの品種を見ることができます。
3. 地域の在来植物の見本園
法面に植栽した在来植物の中から選抜し、見本園で紹介しています。この取り組みは、地域の生物多様性を知ってもらうための重要な活動の一環です。
4. 環境に優しい農業の実践
隣接する1.2ヘクタールの畑では、「生きものと共生する農場」を設けて、害虫の天敵を誘引し、生態系が持続可能な農業を実践しています。
施設情報
「カゴメ野菜生活ファーム富士見」は、農業、工業、観光が融合した体験型のテーマパークで、2019年4月に開業しました。営業時間は、3月中旬から12月中旬まで、毎週火曜日が休館日です。
住所: 長野県諏訪郡富士見町富士見9275-1
入場料: 無料
営業時間: 10時~16時
HP: カゴメ野菜生活ファーム
このファームでは、野菜との新しいふれあいや、地域の魅力に触れ合う機会を得ることができるため、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。