株主提案の要点と株式会社しまむらの未来に向けた戦略
株式会社しまむらが2025年の株主総会に向けて、画期的な株主提案を行いました。これにより、同社の今後の経営戦略や資本政策が大きく変わっていくことが期待されます。ここでは、提案の内容としまむらの経営について詳しく掘り下げていきます。
株主提案の目的
カタリスト投資顧問株式会社が支援する投資信託、マネックス・アクティビスト・マザーファンド(MAMF)は、しまむらが持つ膨大な手元資金と、それに対する経営陣の見解についてエンゲージメントを続けています。この提案の主な目的は、配当性向の引き上げと自己株式の取得により、株主に対する直接的な還元を実現し、経営の透明性と健全性を高めることです。
株主還元政策の見直し
しまむらの経営陣は、近年のキャッシュフローの増加を鑑みて株主還元の方針を見直し、DOE(株主資本配当率)は従来の2.0%から3.0%に引き上げられました。しかし、カタリスト投資顧問は、さらなる引き上げが必要であるとし、具体的には配当性向60%の実施を提案しています。これにより、株主還元が年間240億円に達し、同時に自己株式取得を160億円行うことも目指しています。
経営戦略と将来の見通し
しまむらが掲げる中期経営計画2027では、営業キャッシュフローが1500億円とされ、これに基づく800億円の成長投資が計画されています。株式会社の手元資金はすでに売上高の5ヶ月分に達しており、560億円の余剰資金が存在しています。この現状から、提案側が強調するのは、今後の成長に向けた投資には十分な資金があり、手元資金が過剰であることです。
過剰な手元資金について
現在、しまむらの手元資金は628億円に及び、中期経営計画の成長投資を支えるには十分です。しかし、経営陣は現預金の水準を売上高の4ヶ月分とし、それ以上の積み上げを必要としていないと表明しています。この考えに対して、MAMFは、現在の手元資金が過剰であると指摘し、実際にはより攻めの姿勢で株主還元を進めるべきだと強調しています。
まとめ
株主提案は、株式会社しまむらの経営方針における重要な転機となる可能性を秘めています。提案に基づく配当性向の引き上げや自己株式取得が実施されることで、長期的には株主価値の向上が見込まれるでしょう。また、今後の経営判断が市場の期待に応えるものであるかが、しまむらの成長を左右することが期待されます。今後の展開に要注目です。