クラッソーネと吉野町、空き家除却で地域活性化を目指す連携協定を結ぶ

クラッソーネと吉野町が目指す空き家問題の解決

愛知県名古屋市に本社を構える株式会社クラッソーネが2023年8月1日、奈良県吉野町と「空き家除却促進に係る連携協定」を締結しました。この協定は、全国的に深刻化している空き家問題に取り組むもので、吉野町の安全で安心なまちづくりを目的としています。

協定締結の背景

近年、空き家の増加が社会問題となっています。総務省の調査によると、日本全体で900万戸、空き家率は13.8%と過去最高の数値に達しました。奈良県でも空き家は93,600戸に上り、地域の安全や環境に影響を及ぼしています。特に、吉野町では人口減少や高齢化に伴い、老朽化した空き家の数が増加しており、安全面での懸念が高まっています。これに対して、近年は移住希望者からの相談も増加し、空き家バンクへの登録物件が不足しているという矛盾した状況が生じています。

クラッソーネの役割

クラッソーネは、2,200社以上の専門工事業者と施主をマッチングする解体工事DXプラットフォームを運営しています。これまでに16万件以上の利用実績があり、空き家対策に取り組む中で得たノウハウとデータを活用し、吉野町の空き家問題に対応することが決定しました。

協定により、以下の取り組みが進められます：
1. 空き家の概算解体費用や土地売却査定を提供する「すまいの終活ナビ」の活用。
2. 空き家の管理コストや解体費用をまとめた「空き家価値査定シート」の作成。
3. 空き家所有者向けのフライヤー配布による解体への理解促進。
4. 町民からの相談に応じつつ、当社のサービス情報を活用して空き家対策を展開。

吉野町の展望

吉野町は、奈良県中南部に位置し、自然豊かな環境とともに歴史的な観光名所が点在しています。近年は、都市部からの移住希望者が増えており、空き家利活用や二地域居住のニーズも高まっています。町長の中井章太氏は、この連携により、空き家所有者に新たな選択肢を提示し、地域の安全性を高めることが期待されると述べています。地元の空き家を適切に管理し、除却することで、移住希望者にとっての住環境も向上することが見込まれています。