次世代炭素繊維開発を通じて未来を切り拓く企業—fff社の挑戦

株式会社fff fortississimo（以下、fff社）は、国内最大規模の起業支援プログラム「1stRound」に採択され、サステナブルな未来型炭素繊維の開発を進めるスタートアップです。このプログラムは、東京大学関連の技術やアイデアをビジネスに結びつける機会を提供しており、fff社はその12回目の支援先として選ばれました。

fff社の目指すもの

fff社は2022年に設立されて以来、産業用途向けの高機能繊維の社会実装に取り組んできました。リーダーシップを取る代表の入澤寿平氏は、最新の炭素繊維技術の開発に力を入れています。特に、同社は低コストかつサステナブルな炭素繊維の開発を目指し、岐阜大学と九州大学との共同研究を通じて新たな製造技術を確立しました。

炭素繊維の市場と技術革新

炭素繊維はその優れた特性から、航空・自動車・エネルギー分野での重要な素材として位置付けられていますが、製造コストの高さが普及の妨げとなっています。fff社はこれに立ち向かうべく、大学の研究インフラを活用し、新たな製造プロセスを開発しました。入澤氏の指導のもとで実施された研究により、従来の炭素残渣資源を利用した方法が確立されました。これにより、環境に配慮しつつコストを大幅に削減する事が可能になっています。

2030年に向けた挑戦

fff社は2030年までに、未来型炭素繊維の商用化を実現することを目指しています。現在、企業や政府との連携を強化し、脱炭素社会に貢献するための革新的な素材インフラの確立を進めています。2030年には国内で11万トン、2040年には45万トンの需要が見込まれる中、同社の技術が市場で重要な役割を果たすと期待されています。

1stRoundプログラムの意義

「1stRound」は、大学における優れた技術を事業化するための支援プログラムです。fff社のように革新を追求する企業にとって、このプログラムは自己資金や資源を必要とせず、事業化を進めるための重要なプラットフォームです。東京大学母体のもと、大手企業との連携やコミュニティの形成を促進し、さまざまなステークホルダーと共に新たなスタートアップを支援しています。