愛知・一宮市が推進する高齢者見守りの新たな試み
愛知県一宮市が進める「安全に暮らし続けられるまち」の実現に向けて、新たな試みが動き出しています。一宮スマートシティ推進協議会(愛称:i-スマ)は、最近開催されたDX事業提案会にて、高齢者の見守りを強化するための革新的なプロジェクトを発表しました。このプロジェクトでは、株式会社イルが開発したGPSインソール「みまもり イル!」と、ソフトバンクが提供する認知症高齢者見守りアプリ「オレンジセーフティネット」を連携させる仕組みを提案しています。
高齢者見守りの課題と解決への道
現在、認知症を患う高齢者の方々は、時に行方不明になってしまうことがあります。これに伴い、いかに早く発見し、保護するかが地域の大きな課題となっています。従来の見守り方法であるスマートフォンや持ち歩き型GPSデバイスは、利用者にとって煩わしさや違和感が伴うため、効果的でないことが多いです。
一方、「みまもり イル!」は、普通の靴のインソールとして装着するため、違和感を感じることなく、高齢者の方々に利用していただけます。このインソールにはGPS機能が内蔵されており、使用者の動きをモニターすることが可能。さらに、移動開始時や帰宅時などにアラートを受け取ることができるため、介護者にとって心強い味方になります。
「オレンジセーフティネット」で迅速な対応
もう一つの重要な要素は、ソフトバンクが開発したスマートフォン専用アプリ「オレンジセーフティネット」です。このアプリは、認知症高齢者が行方不明になった際、地域の協力者にリアルタイムで情報を共有する仕組みを備えています。あらかじめ登録された協力者は、行方不明者の特徴情報を確認し、目撃情報を地図上に投稿することができます。このプロセスは捜索活動の迅速化に寄与し、早期発見・保護を可能にしてくれます。
一宮市の仲間との連携構想
今回提案された「みまもり イル!」と「オレンジセーフティネット」の連携は、見守り体制を地域ぐるみで強化することを目指しています。高齢者が位置情報を発信した際、介護者がそのデータをアプリに共有すれば、市の福祉課、ボランティア、警察など関係機関へ一斉に通知が届きます。これにより、関係者が協力して高齢者の行方を追跡し、安心して生活できる環境が整えることが期待されます。
i-スマという共同体に期待する未来
一宮スマートシティ推進協議会(i-スマ)は、2024年に設立された産学官連携の事業体で、地域課題の解決に向けて様々なサービスを開発・運用しています。今回の提案もその一環であり、ICT技術を駆使した地域の見守り体制が確立されれば、高齢者に優しい街づくりが進むことは間違いありません。
企業の紹介と展望
最後に、今回提案に関与した株式会社イルの概要もご紹介します。
- - 所在地: 愛知県一宮市真清田1丁目3-3 桃花館 2A
- - 代表者: 山本 裕晃
- - 設立: 2023年2月
- - 主な事業内容: 高齢者見守りGPSインソール「みまもり イル!」の開発・運用
- - URL: 株式会社イル
愛知県一宮市の革新的な取り組みが今後どのように地域の高齢者生活を支えていくのか、大きな期待が寄せられています。