切削加工技術の進化:熱処理サービスの強化
株式会社ミスミグループ本社が提供する機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy」は、2025年8月30日から切削加工(角物)の熱処理(焼入れ)サービスを大幅に強化しました。本記事では、新たな機能追加やその意義について詳しく解説します。
強化された熱処理サービスとは?
今回のサービス強化によって、「meviy」は機械設計者の多様なニーズに応えるための機能を追加しました。これまで対応していなかった表面粗さ(Ra1.6まで)や寸法公差(±0.1mmまで)の指定が可能となります。これにより、より精密で高品質な部品を必要とするお客様にとって、大きなメリットとなるでしょう。
さらに、従来の最短9日目出荷から、最短6日目出荷へと納期が大幅に短縮されました。これに伴い、よりスピーディーに部品を調達できるようになり、高い耐摩耗性や硬度、精密な寸法が求められる部品への対応力が増しています。
背景:焼入れの重要性
焼入れは金属部品に高い硬度や耐摩耗性を持たせるための熱処理工程であり、高性能な搬送装置やロボット、自動車部品などの設計に欠かせない技術です。特に、ワークと直接接触する部品や、反復的に荷重がかかる部品においては、焼入れがあるかないかで性能や寿命に大きな影響を与えます。
ミスミグループは2025年5月より初めて切削加工(角物)での熱処理サービスを開始しましたが、その後、お客様からの「納期をもっと短縮してほしい」といった多くの要望に応える形で生産体制を見直してきました。
新機能の具体的な内容
新たに提供される熱処理サービスでは、以下の点が改良されました:
- - 表面粗さの指定:Ra1.6相当まで対応が可能に。
- - 寸法公差の指定:±0.1mmまでのニーズに応えることができる。
- - 納期の短縮:これまで9日かかっていた納期が最短6日まで短縮。
対象となる材質にはS45C(相当)、S50C(相当)、SCM440、SKD11が含まれ、無電解ニッケル及び四三酸化鉄皮膜といった表面処理にも対応しています。
これらの改良は、自動車業界向けの部品調達や製造現場において、特に重要な役割を果たすでしょう。例えば、ロボット用のチャック爪や搬送装置の部品など、耐摩耗性と寸法精度が求められる分野での活用が期待されます。
ミスミのデジタルモデルシフト
ミスミグループは、ものづくりプロセスの変革を目指してデジタル技術を取り入れています。2000年にはインターネット注文サービスを開始し、部品の選定から発注までをWebで完結できる仕組みを構築しました。また、AIを活用した即時見積もりサービス「meviy」を展開し、産業界の生産性向上に寄与してきました。
ミスミは「楽ミスミ、得ミスミ」をテーマに、設計・調達プロセスのDX化を進めることで、お客様の「楽」と「得」を実現し、持続可能な成長へとつなげてまいります。
今後も、「meviy」やミスミグループの新たなサービスに注目しつつ、より便利で効率的な機械部品調達の世界を楽しんでいただければと思います。
詳しい情報や最新のサービス内容については、
meviyの公式サイトをチェックしてください。