名古屋のオフィスマーケット最新動向
三幸エステート株式会社が発表した2025年8月度の名古屋市のオフィス賃貸状況についてのレポートが注目を集めています。このレポートによれば、名古屋市のオフィス空室率は11ヵ月ぶりの上昇を見せましたが、その増加幅は小幅に留まっています。具体的には、空室率は前月比0.04ポイント増の3.21%となりました。この数値は、売買による貸止めのビルが募集を再開したことや、入居者による拡張移転、館内増床による影響があります。
空室率の地域別動向
特に注目すべきは「栄」エリアの動向です。栄エリアでは2022年5月以来、空室率が2%台に低下しました。このような変動が起きている背景には、名駅エリアでの大規模ビルの竣工や、新しいプロジェクトが進行中であることが要因とされています。名古屋駅エリアでは1999年から2017年にかけて価格高めの大規模ビルが多く竣工し、賃料に影響を及ぼしました。2023年には「中日ビル」が竣工し、2026年にはさらに3棟の大規模ビルの竣工が控えており、これが栄エリアの賃料水準を引き上げる要因となっています。
このように、名駅と栄エリア間の上限値の差が縮小している点も注視すべきポイントです。名古屋支店長の妹尾哲也氏は、今後も名古屋市のオフィス需要に前向きな動きが続くことを期待しています。
賃料と募集面積の現状
名古屋市のオフィス賃料は、2025年8月の時点で12,693円/坪にあり、前月からはわずか12円の低下にとどまり、12,000円台での安定した推移を見せています。この安定した賃料の背景には、既存ビルの募集床の品薄感が強まっていることが影響しています。このような市場環境の中で、企業はより良いオフィス環境を求めて移転や拡張を計画しているようです。
今後の展望
さまざまな条件がバランスよく整った既存ビルの需要は高く、そのため多くの企業は空室の内装やレイアウトに工夫を凝らし、より快適なワークプレイスの提供に努めています。また、新しいオフィスビルの建設ラッシュが続けば、名古屋市のオフィスマーケットにさらなる活気が生まれることでしょう。今後の名古屋のオフィスマーケットの動向には、引き続き注目が必要です。
詳細なデータやリリースは、
三幸エステートの公式サイトで確認できます。
企業情報
三幸エステート株式会社は、1977年に設立され、オフィス戦略の総合的なサポートを提供しています。企業に最適なワークプレイスの提案から、賃貸ビルの仲介、プロジェクトのマネジメント機能まで、幅広くサポートしています。今後も名古屋エリアをはじめ、全国のビジネス環境を見守っていくことでしょう。