三菱ケミカル、植物由来樹脂を活用した新素材を発表
三菱ケミカルグループは、2024年11月に愛知地区の三菱ケミカル東海事業所において製造される植物由来樹脂を使用したプリプレグが、国際的な持続可能性認証「ISCC PLUS」を取得したことを発表しました。これは、持続可能な製品を目指す取り組みの一環として、環境負荷の軽減にも寄与するものです。
この新しく開発された「BiOpreg#500シリーズ」は、2025年2月からサンプルワークが開始され、炭素繊維プリプレグおよびガラス繊維プリプレグがラインナップされる予定です。マスバランス方式に基づき、炭素やガラス繊維のメカニカルプロパティを有しながらも、植物由来の原料を用いることで環境に優しい製品を提供することを狙いとしています。
プリプレグの特性とその利用範囲
プリプレグとは、炭素繊維やガラス繊維にマトリクス樹脂を含浸させたシート状の中間材料のことを指します。これまでにも三菱ケミカルはエポキシ樹脂の一部に植物由来の素材を用いたプリプレグを提供していましたが、今回の「BiOpreg#500シリーズ」は、新たにISCC PLUS認証を取得したことが大きな特徴です。
この製品は、従来の石油由来プリプレグと同じ性能を持ちながらも、植物ベースの原料を活用することで、環境への配慮を施しています。具体的には、今後スポーツレジャー向けの利用から始まり、自動車の内外装材や産業用途へと展開する計画です。
環境負荷の低減と持続可能な未来
特に、自動車産業においては環境規制が厳しくなる中で、製品のライフサイクル全体の環境負荷の低減が求められています。「BiOpreg#500シリーズ」は、軽量化を通じて車体のライフサイクルにおける省資源化や温室効果ガスの削減に寄与できると期待されています。環境に優しい素材へのシフトは、今後の自動車業界において重要なテーマとなることでしょう。
まとめ
三菱ケミカルグループは、ISCC PLUS認証の取得によって持続可能な製品の提供を一層強化していく意向を示しています。リサイクル原料やバイオマス原料を使用した製品開発を通じて、社会全体の持続可能性に寄与し続けることを目指しています。これからの新しい素材の可能性とそれを活用した製品の実用化を期待したいですね。