自動化施工システム「A⁴CSEL」が岡崎の造成工事に本格導入!
鹿島が開発した自動化施工システム「A⁴CSEL」は、建設業界が直面する人手不足や熟練技能者の不足、その上で生産性向上と労働災害の撲滅を目指しています。これまで主にダム工事で実績を積んできたこのシステムが、今度は岡崎市での造成工事に本格導入されることとなりました。
施工システムの背景と目的
近年の建設業界では、人手不足が深刻な問題となっています。特に造成工事では、重機土工の効率化が生産性の向上に直結します。鹿島では、これまでダム工事において自動運転技術を駆使し、大幅な生産性改善を遂げてきました。この度、ダム工事での成功を基に、岡崎市の造成工事に自動化技術を展開することを決定しました。
造成現場では、地形や地質が毎回異なり、様々な技術的課題が発生します。このプロジェクトでは、まず振動ローラの自動運転を実現し、それに続いて他の作業にも自動化を広げていきます。その結果、施工がより効率的で安全に行えるようになります。
岡崎市阿知和地区工業団地造成事業
愛知県の中央に位置する岡崎市では、約63ヘクタールの土地を開発し、工業団地と周辺道路を整備するプロジェクトが進行中です。この事業にA⁴CSELを導入することで、工事の様々な課題を明らかにし、日々改善と最適化を図ります。
この施策により、造成工事の生産性を高めるだけでなく、自動化技術が現場にどのように適合するのかを実証する機会が生まれます。
自動振動ローラ用施工計画システム
鹿島は、自動振動ローラに特化した施工計画システムを開発しました。このシステムは日々変わる現場条件に合わせて最適な施工計画を自動で生成し、複雑な地形にも対応可能です。具体的な運用としては、CADで作成した計画図から必要な情報を自動で取得し、施工を行う走行領域を設定するところから始まります。これにより、従来よりも精度の高い施工が実現されます。
1. 最初にCADから施工地域を指定。
2. 転圧領域とローラの設定を元に実作業場所を生成。
3. その後、データを重機管理システムに送信し、自動で経路が生成されます。
4. 最終的に自動運転で作業を開始します。
このように、一貫した流れで作業が進むことで、より安全で効率的な施工が行われます。
今後の展開
鹿島では、今後もA⁴CSELの普及を進め、現場の規模や条件に応じて柔軟に対応できるシステムの開発を続けるという方針です。また、新たに「移動管制室」を整備して、より多様な働き方を提案する活動を進めていきます。
この革新的な取り組みによって、造成工事の現場はさらに変わりつつあります。自動化技術が人手不足問題を解決し、建設業界の未来を切り開く日も近いかもしれません。未来の工事現場がどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。