新たなキャリア教育の形
今、愛知県名古屋市に位置する中京大学で進行中のプロジェクトが、少子化時代にふさわしいキャリア教育として注目を集めています。このプロジェクトでは、学生が主体となり、企業と連携して大学の学生ラウンジのデザインを行うという新しい取り組みが進められています。
プロジェクトの背景と目的
株式会社丸天産業が中心となり、イトーキ、コクヨマーケティングとともに連携し、1994年に完成した中京大学名古屋キャンパスのラウンジを改修するプロジェクトに参画しました。この改修にあたっては、学生の発想を活かして「交差点」をテーマにしたラウンジ空間を学生がデザインします。少子化に伴い、大学生の就職環境は厳しい状況にありますが、このプロジェクトはその実践的なキャリア教育の一環として位置づけられています。
学生の挑戦と学び
学生たちは、自らデザインを手がけることで、実際のビジネス環境を体験し、長期にわたる課題解決能力を養います。周囲の制約の中で「やりたいこと」と「できること」を考え、自らの意見を反映させながらデザインを進めていきます。これにより、彼らはデザインのプロセスを通じて、内装イメージや家具配置の選定など、実社会での経験を積むことができるのです。
発表会は、2025年11月11日に開催され、学生たちは自身のデザインを紹介しました。チームが提案したコンセプトは「panoma(ぱの間)『ぱっ』と見渡す こころ広がる」と名付けられ、居心地の良い空間づくりに注力しました。この中で「重なる」「広がる」「繋がる」という抽象的なキーワードを設定し、学生たちはそれを基にした具体的なデザインを提案しました。
学生の発表と感想
発表後、参加した学生たちはそれぞれの経験を振り返り、貴重な学びを得たと語ります。人前での発表や、異なる価値観を持つ仲間との交流を通じて、彼らは自分の意見を伝える力やクリエイティブな思考を上市したと述べました。また、バランスのとれた条件の中でデザインすることで、実際の業務を通じた成長を感じ取ることができたと話しています。
学びを支える講評と期待
講評を行った梅村清英理事長は、各チームの提案が明確なコンセプトのもとに構築されていることを評価しました。また、センタービルの改修において学生が主体的に関与したことが大きな感動を生むものであるとコメントしました。
丸天産業の担当者も、学生たちが主体的にプロジェクトに関与し、徐々に成長していく姿に感銘を受けたとの声が寄せられました。このプロジェクトを通じて得たスキルや経験が、学生たちの今後のキャリア形成に大いに寄与することが期待されています。
未来に向けた展望
このプロジェクトは、ただのラウンジ改修ではなく、学生のキャリア形成を支援し、企業とのデザイン知見を融合させる新しいモデルとも言えます。2026年3月にリニューアルオープンを目指し、学生たちの力を生かした新たな「クロスロード」が創り出されることに期待が寄せられます。丸天産業は、これからも学生や地域との連携を進めながら、新しい働き方や空間づくりのモデルを提案していくことでしょう。